銀行の経営環境は年々厳しいものになっています。
将来に備えて、資格やスキルを身につけたいと考えている銀行員は多いと思います。とはいえ将来何をやりたいかわからず、何から勉強していいかわからない人もいるのではないでしょうか。
この記事を書いている私も、新卒で銀行に入行して以降、いろんな資格を取得していきました。
私の資格受験歴は以下のとおりです。
- 銀行員1年目に必要な資格一式(銀行業務検定3級、証券外務員等)
- 日商簿記2級
- 税理士試験:簿記論(不合格)
- 税理士試験:財務諸表論(不合格)
- 税理士試験:相続税法(途中で挫折)
- 宅建(学習のみ)
- ワシントン州米国公認会計士(USCPA)
- TOEIC L/R 855点
このように資格を取得しながら、転職も繰り返してきました。資格のおかげで年収も200万円アップできました。
今回は銀行でも転職市場でも評価される資格を紹介します。
早速、この記事の結論ですが、銀行員はとりあえず簿記2級、宅建、FP2級を取得しましょう。
この記事では、なぜ簿記などから取るべきか理由もわかります。また銀行に残るべきか転職すべきか悩んでいる銀行員にとっても、とりあえず一歩目を踏み出すことができます。
それでは解説していきましょう。
忙しい銀行員におすすめな資格講座はスタディング(STUDYing)です。

- スマホで学習することを前提に作られているため、通勤や家事の間、お風呂に入りながらでも学習できる。
- オンラインに特化しているおかげで受講料が圧倒的に安く、最悪、挫折したとしても安く済む。
- 「学習レポート機能」でテストの正答率などが確認できるから、苦手分野から優先して復習できる。
⇓スタディングの各講座⇓
⇒簿記合格コース(税込3,850円~)銀行員が資格をとるべき理由
- 転職したくなった時に活かせる
- 行内で評価される
- 目の前の銀行業務が楽しくなる
銀行員は積極的に資格をとるべきです。
いざ転職したくなった時に活かせますし、勉強を通じて目の前の銀行業務も楽しくなる可能性があります。
また行内での評価もアップします。
もちろん業務で結果を出したほうが評価は上がると思いますが、何もないより取得したほうがいいです。私が銀行員時代にも「仕事で結果を出さないで資格とるなんて意味がない」なんて言う人もいましたが、私からするとクソくらえですけどね笑
銀行も今後、再編や人員削減の波は避けられないでしょう。
中京銀行は経費削減のため、銀行業界では異例の希望退職を募りました。銀行のためにと身を粉にして働いたとしても、昇進できないかもしれませんし、リストラされるかもしれません。
いざというときに助けてくれるのは、他の企業でも活かせるスキルや実績、そして資格です。
銀行員が資格を選ぶときのポイント
では、実際に資格を選ぶときのポイントをお伝えします。
- 転職市場でも銀行内でも評価される資格を選ぶ
- 働きながら取得できる資格を選ぶ
ポイント①転職市場でも銀行内でも評価される資格を選ぶ
銀行では、銀行業務検定や、証券外務員、保険募集人資格など、新卒入行からたくさんの資格を取らされますが、銀行か金融業界でしか使えない資格がほとんどです。
つまり転職市場では評価されないことが多いと言えます。
例えば、年金業務について詳しくなりたいと思っていきなり「銀行業務検定 年金アドバイザー3級」を取得しようとしてはいけません。
それよりもまずはFPの勉強をしたほうが絶対にいいです。取得すれば堂々と職務経歴書でアピールできます。
逆に、銀行業務とかけ離れた資格を取得するのも効率が悪いです。
例えば「外資系に転職したい!」わけでもなく、またほとんど業務では英語を使用しないのに、いきなりTOEICの勉強をすることもあまり意味がないと言えるでしょう。
資格勉強を通じて目の前の仕事に活かすことができれば、銀行業務の面白さに気づくこともあります。結果、銀行内で評価されてキャリアアップできるかもしれません。
したがって資格選びは、銀行業務でも転職にもどちらにも活かせそうかをチェックするようにしましょう。
ポイント②働きながら取得できる資格を選ぶ
銀行員は忙しいです。
朝は早く、新人行員なら支店の掃除をしなければなりません。
夜も、外回りから帰った後に稟議書作成や事務処理もあります。
したがって資格選びは、働きながらムリなく取得できるかどうかもチェックするようにしましょう。
例えば、いきなり公認会計士試験など難易度が高いものからチャレンジすると、働きながら学習を続けるのはハードなため、挫折してしまう可能性もあるからです。
銀行員おすすめの資格10選

それでは銀行員におすすめの資格を紹介します。
日商簿記2級
銀行員としてもビジネスパーソンとしても、企業の財政状態と経営成績を理解するために簿記の知識は必要です。
簿記の資格は銀行員として必須ではありませんが、勘定科目やBSとPLの繋がりがわからないと、お客さまと話したり、財務分析をしたりする際に支障が出ます。
銀行業務員検定の財務3級も勉強させられると思いますが、こちらは銀行融資のためだけに必要な知識になります。そもそも財務諸表ってどうやって作るんだっけ、という根源的な会計の知識を身につけたいなら、簿記試験が最適です。
転職を見据えるなら、3級ではなく最低でも2級は欲しいところです。日商簿記2級の受験費用は4,720円(税込)で、2020年からネット試験が開始したことに伴い、ほぼいつでも受験可能になったので、取得しやすい試験になってます。

宅建
宅地建物取引士は「宅建」と呼ばれる資格で、主に不動産業界で不動産の売買を行う人が取得する資格です。
銀行員の場合は必須の資格ではありませんが、融資担当になると、融資を行う際に不動産担保登記や不動産評価などを行うため、宅建の知識があればそれらの業務を深く理解することができます。
また合格率は15%程度と非常に難易度の高い資格なので、合格すると昇格しやすくなったり、評価が上がったりという銀行もあります。
宅建の受験料は7,000円で年に1回毎年10月に試験が行われます。
私も会計事務所時代に少し勉強していましたが、銀行業務検定法務と範囲がかぶる部分が多いと感じました。
特に抵当権あたりでしょうか。
銀行業務検定や実務で不動産用語に触れている人にとって、宅建は取得しやすいと思いますのでおすすめです。

FP2級
FPとは、顧客の資産運用についてアドバイスをするスペシャリストのことです。
さまざまな金融商品、保険商品、株式、あるいは不動産、税金、年金、ローンなどについて総合的な知識が要求されます。
FP2級(ファイナンシャルプランニング技能検定)の合格者は、日本FP協会が認定する研修や試験を受けると「AFP、CFP」という名称の資格が授与されます。
日本FP協会公式ホームページ⇒FPの資格と検定の種類 | 日本FP協会
また経営コンサルタントの大前研一さんも、FPを推奨しています。
では、入門編ともいうべき資格は何か。
出典:『ドットコム仕事術』大前研一著
金融に関する知識が求められている昨今、やはりFPが挙げられるだろう。
(中略)
FPを目指す、あるいはFP的な知識・能力を取得したいのであれば、AFPだけに満足せず、CFPにも挑戦してみるべきだ。
もちろん当該資格を持っているだけでFPとして十分なわけではない。
しかし銀行、証券、保険業界においては自分の「名札」(何をする人か)がより明確になり、「値札」(自分の価値)が高まることになるだろう。
銀行員は、窓口担当・法人担当関わらず、お客さまからの資金運用の相談を受ける機会も多くなるため、こうしたときにFPの知識が有効に活用できます。
FP技能士資格は1級~3級まであり、転職をかんがえるなら2級までは取得しておきたいところです。
3級と2級は年に3回受験のチャンスがあり、受験手数料は3級が6,000円、2級が8,700円となっています。

USCPA(米国公認会計士)
USCPAとはアメリカの会計士資格の略です。
USCPAとは(U.S. Certified Public Accountant, 米国公認会計士)、米国各州が認定する公認会計士資格です。
出典:アビタスHP
米国の資格でありながら、日本をはじめ世界中の様々な業種、職種、年齢の方が就・転職、キャリアアップなどのさまざまな目的でUSCPA試験にチャレンジされています。
このことからもUSCPA(米国公認会計士)は、世界で最も広く認知されたビジネス資格と言っても過言ではありません。
USCPAを取得することで、「英語」と「会計」のスキルが一度に身に付けることができます。
そして私の実体験からも、銀行員には声を大にしてUSCPAをおすすめします。
- 銀行で得た知識をUSCPA学習に活かせるから
- 受験専念のため無職になる必要がないから
- ノルマや転勤のない職種に転職できるから
- 「銀行出身×USCPA」の市場価値が高いから
- 実際に私がストレスから解放されたから
銀行員であれば、USCPAを取りやすく、将来のキャリアにも活かしやすいです。
最もUSCPAを活かせる職業のひとつだと思いますので、銀行員のみなさんはぜひ、取得を検してほしいです(思っているほど難しい試験ではないです)。
【関連記事】USCPAのリアルな難易度を合格者が解説【簿記1級や税理士試験とも徹底比較】
行政書士
行政書士は、1951年に成立した「行政書士法」により誕生した国家資格です。行政書士は、国民にもっとも身近な街の法律家とも言われます。
行政書士の仕事は大きく分けて、① 官公署へ提出する書類、権利義務や事実証明に関する書類を作る「書類作成業務」、② その申請を代わりに行う「許認可申請の代理」、③ クライアントからの相談を受け、アドバイスを行う「相談業務」の3つに分類されています。
独立志向の銀行員にも行政書士はおすすめです。税理士と同様、お客様の創業時の融資に携わる場面が多く、銀行員の知識を活かすことができます。
例えば「法人設立の手続きに加え、創業融資のサポートもできる元銀行員の行政書士」など、強みとしてアピールすることもできます。

日商簿記1級
在宅ワークを希望するのであれば、元銀行員には経理関連の求人がおすすめです。
コロナ過によりリモート対応可能な経理の求人も増えているので、そういった仕事に応募する際には簿記の資格が有効です。
特に近年の転職市場では、連結会計や企業結合など高度な処理ができる人材を欲しがる傾向があります。簿記2級では対応できないので、日商簿記1級まで取得することもおすすめです。
ただしいきなり挑戦すると挫折してしまうので、簿記2級を取得した後にチャレンジしてください。
公認会計士
公認会計士は、医師、弁護士と並んで三大国家資格と言われる資格です。
社会的地位も高く、また監査業務をはじめビジネスフィールドは多岐にわたり、「会計」のプロである公認会計士の社会的ニーズは高いと言えます。
平均年収も約1,000万円と言われており、転職先も多くまた独立も可能です。したがって公認会計士は最強の資格のひとつと言っていいでしょう。
ただし難易度は相当高く学習時間は3,000~5,000時間ともいわれています。働きながら取得を目指す場合は数年以上費やさなければなりません。私の監査法人の元銀行員の同僚も、途中で銀行をやめて受験勉強に専念していました。
したがってハードルは非常に高いものの、取得後は安泰な資格と言えるでしょう。
税理士
そもそもサラリーマンではなく、独立開業して自由に働きたいという銀行員もいるかと思います。
そういった独立志向の人には税理士をおすすめします。
特に公認会計士か税理士か迷っているのであれば、税理士のほうがいいです。というのも実務では会計基準よりも税法を使うことが圧倒的に多いからです。
税理士として独立した場合、元銀行員の経験も生かせます。例えば「融資してもらいやすい決算書を作れる元銀行員の税理士」など、強みとしてアピールすることができます。
デメリットとしては、公認会計士と同様に難易度が高いことです。
合格まで平均約6~7年かかると言われており、私自身も挫折しました。取得を検討するのであれば、長期戦を覚悟した方がいいです。
資産査定(金融検定試験)
金融検定試験とは金融検定協会が運営している試験制度であり、金融機関の各職能分野における職務遂行能力を評価する試験です。
試験科目は主にコンプライアンスオフィサーや、個人情報取扱者、資産査定、事業性評価、財務分析などが例として挙げられます。ぶっちゃけかなりマイナーな資格です笑
資産査定とは、自己査定(格付)に関する実務知識の試験です。
銀行内で定めたマニュアルや規定に基いて、営業店の行員は債務者への格付を実施しますが、もともとは金融検査マニュアル(金融庁が公表していたが2019年に廃止され、新たに「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」(DP)が公表)をベースに各行が独自の格付を規定しています。
金融検定試験の「資産査定」を学習することで、銀行内の一段階上の目線である、金融庁の自己査定(格付)の考え方が身に付きます。
なお金融庁の新人職員はこの資格が必須です。
事業性評価(金融検定試験)
「事業性評価」は、企業の数字だけではなく事業を適切に評価し、それに応じたサポートができる銀行員になるために必要な知識やノウハウを問う試験です(こちらは金融検定試験のほかに銀行業務検定でも試験があります)。
金融庁の監督指針等では、取引先中小企業への経営改善や育成・成長のバックアップを要請しており、銀行には取引先企業の事業内容や将来性を見極める事業性評価を基に、適切なコンサルティングを行なうなど、取引先の事業を積極的にサポートすることが求められています。
つまり「過去の業績だけで判断して取引先と付き合うのではなく、将来の事業性もちゃんと見てサポートしてあげてね」という、金融庁からのメッセージとも言えます。
事業性評価の件数を支店の目標として掲げているところもあるのではないでしょうか。
事業を評価する能力は、お手軽にこの試験に合格しただけで身につくものではなく、多くの実務経験が必要なのは言うまでもありませんが、基本的な知識を整理するために学習しておくべき試験です。
「資産査定」における旧金融検査マニュアルは2019年に廃止され、「事業性評価」試験は2017年に新設されたことから、近年の銀行業界の変化の象徴とも言えます。
それほど銀行に求められるものも変化しているということです。
まずは簿記2級、FP、宅建から目指すべき理由
キャリアアップや独立が目的であれば、公認会計士や社会保険労務士レベルの難関資格がほしいところです。
それでもまずは入門資格である簿記2級、FP、宅建から目指すことをおすすめします。
なぜなら難関資格を取得するときの土台となり得るからです。
以下に入門資格と難関資格の関係性についてまとめました。

公認会計士や税理士などの会計系難関資格を目指す場合、簿記2級で学習した会計の知識がベースになります。
FP2級ではAFP、CFPはもちろん、個人の税金や年金も学習範囲であるため、税理士や社会保険労務士の学習にも活きることになります。
宅建は不動産関連の法律を学ぶため、土地家屋調査士や行政書士の学習ともリンクしてきます。
また上図のように簿記など資格は、銀行業務検定の内容とも密接にかかわってくるため、銀行内での評価のために各業務検定を取得するときにも活かせます。
したがって銀行に残る決断をした人にとってもムダにはなりません。
以上より「何を勉強すればいいかわからない」「今後のキャリアを迷っている」ような銀行員は、まずは簿記2級、FP、宅建から取得しましょう。
そしてその後に興味のある分野の難関資格を目指してみることをおすすめします。
忙しい銀行員は独学よりも講座を活用するのが断然効率的!
銀行員は忙しいので、独学を選んだ場合、勉強時間を確保するのが難しいです。特に学習習慣のない人は、講座で学習するスタイルをおすすめします。
- 短期間で合格しやすくなるから
- 忙しくても学習が継続しやすくなるから
講義を受講することで、独学に比べて知識が定着しやすくなります。結果、短期間で合格が可能になります。
またわざわざ身銭をきって受講料を払うことで、元をとろうとして忙しくても学習時間を捻出しようとします。また自然とモチベーションもアップするので、学習が継続しやすくなります。
忙しい銀行員におすすめできる講座は『オンライン講座スタディング』になります。

- スマホで学習することを前提に作られているため、通勤や家事の間、お風呂に入りながらでも学習できる。
- オンラインに特化しているおかげで受講料が圧倒的に安く、最悪、挫折したとしても安く済む。
- 「学習レポート機能」でテストの正答率などが確認できるから、苦手分野から優先して復習できる。
スタディングは時間のない銀行員に向いています。
スマホでも講義受講や問題を解くことができるため、通勤時間のスキマ時間でも学習することができます。
洗濯機を回している間に講義を視聴して、簿記2級に合格したワーキングマザーの方もいます。(以下動画2分5秒あたり)
スキマ時間を積み重ねていくことは重要で、私もUSCPA試験の時は、紙の問題集を持ち歩いて、外回りの空いた時間にカフェで勉強していました。スタディングはスマホで学習できるのがありがたいですよね。
またオンラインに特化している予備校なので、余計な予備校運営コストをカットできており、料金が低価格で済んでいます。
WEBのテキスト、問題集、数回分の模試がついても、以下の価格帯で受講できます。
- 簿記3級合格コース(税込3,850円)
- 簿記2級合格コース(税込19,800円)
- FP3級合格コース(税込4,950円)
- FP2級合格コース(税込29,700円)
- 宅建士講座(税込14,960円~)
- 行政書士講座(税込34,980円~)
なお資格大手のTACだと、簿記2級コースは約7~9万円します。私の時代にはこんなに安いオンライン講座はなかったので羨ましいです・・・。
少額でチャレンジできるので、気軽に資格取得を目指してみましょう!
まとめ:とりあえず小さな1歩を踏み出そう
今回は、銀行員におすすめの資格を10選紹介しました。
自分のキャリアがすでに明確である人なんてほとんどいません。
迷っている銀行員は、とりあえず簿記、FP、宅建を勉強することで、どんな将来を迎えたとしてもあなたを助けてくれるものになるでしょう。
小さな一歩から踏み出してみましょう!
以上!

