こんにちはたけぞうです。
この記事では、銀行員がUSCPAを取得して、監査法人に転職するために必要な方法を解説します。
私は新卒で地元の地方銀行に入行しましたが、ノルマがつらすぎてたった1年で退職しました。
そして転職先の会計事務所では、USCPA(米国公認会計士)に働きながら勉強し、合格後はBIG4監査法人の金融部門に転職しました。
私の体験談を元に、「銀行をやめたい」と思ってから監査法人に転職を成功させるまでのロードマップを、4つのステップごとにご紹介したいと思います。
銀行で働くのはしんどくて当然

銀行をやめたいと思う自分を責めない
「銀行をやめたい」
「ノルマがしんどい、課長に詰められたくない」
「支店に行くとため息が多くなる」
と悩んでいる人は、自分自身を責めないでください。
それはごく自然な感情であり、
「銀行員としてついていけない自分はなんてダメなヤツなんだ」
と、必要以上に落ち込まなくていいです。
これは銀行員と銀行監査を計4年間経験し、上司からのパワハラで会社を休んだことのある私が断言します。
真面目な人ほど、鬱になって心も身体を壊してしまうこともあります。
地方銀行の経営は悪化
銀行をやめたくなる理由のひとつとして、現在の銀行を取り巻く環境が厳しいことが大きいかと思われます。
- 低金利による利鞘確保が困難
- ネット証券の台頭による預かり資産(投資信託・保険)の販売手数料減少
- 少子高齢化による地方商圏の衰退
- 金融庁からの事務負担につながるような指導
- 新型コロナウイルスの影響の長期化による貸倒関係費の増加
全国の地方銀行の2021年3月期決算において、全体の46%が最終損益で減益または赤字となっています。
地方銀行の経営環境は厳しさを増すばかりで、銀行同士の合併や経営統合の流れは加速していくでしょう。
このような逆風がある一方で、支店ではあなたに昨年以上のノルマを課してきます。
営利企業である以上、行員に数字を求めるのは当然ですが、非常に多くの制約がある中で営業を行うのはあなたにとってかなりのストレスのはずです。
体質が昭和のまま
また、銀行内の体質が古いことも銀行で働くのがつらい要因のひとつです。
どの支店にも、お局さんや昭和タイプの行員は確実に一定数います。
私自身も、お客さんが見えるところで怒鳴られもしましたし、酒の席でビンタされることもありました(当時の私の態度が良くなかったこともありますが・・・)。
また、各法規制でがんじがらめになっているため、新しいことを導入しづらい業界でもあります。
したがって、経営や組織運営も昭和で止まっている銀行が多く、銀行で働くことがつまらないと感じることがあります。
このように、銀行は経営環境的にも職場的にも厳しい環境なので、あなたが仕事がつらいと思うのは当然です。
必要以上に自分を責めなくて大丈夫です。
鬱になってしまう前に、ご自身の周りの環境を変える方法を一緒に考えましょう。
恥ずかしながら私の体験談はこちら。
⇒【体験談】銀行を新卒1年でやめるとどうなるか【結論:腐らなければなんとかなる】
銀行員にUSCPA取得と監査法人転職をすすめる理由
- 銀行の研修や実務で身につけた財務知識を、USCPAの学習に活かせる
- 公認会計士資格とは違い、USCPAは働きながら取得できるから、受験専念のために銀行を辞めてリスクを冒さなくていい
- 元銀行員+USCPAであれば、監査法人(特に金融部門)に十分転職可能
- 仮に銀行に残る決断をしたとしても、USCPAの勉強を通じて英語と会計のスキルが手に入る
- 監査法人は営業ノルマや転勤がなく、銀行員相当の年収が稼げる
- 金融部門に行けば、銀行員の経験を活かすことができ、監査業務にやりがいを感じることができる
- 地方銀行の行員だった私が、USCPAを取得して監査法人に転職して人生逆転できたから
まずこれは強調してお伝えしたいのですが、銀行員はUSCPA取得に向いています。
特に総合職の人は、大学受験で英語を勉強してきており、実務で財務・税務・ファイナンスの基礎が身についている人がほとんどだと思います。
これらの知識は、USCPAの学習において理解を助けるものとなります。
私も銀行時代に身につけた知識は、特にFARやBECの勉強において非常に役に立ちました。
またUSCPA合格後の転職先としては、やはり監査法人をおすすめします。
営業ノルマ(少なくとも入社から10年程度はない)や転勤がないので、そういった銀行員ならではのストレスはなくなります。
年収もスタッフで約600万円、4年後に昇格するシニアスタッフであれば約800万円となり、銀行員相当の年収(またはそれ以上)は稼げぐことができます。
さらに監査法人の金融部門に行って銀行クライアントの担当になれば、銀行員としての経験を活かすことができるため、監査業務にやりがいを感じることができます。
⇒USCPAを取得したら監査法人への転職をおすすめする理由【5選】
現在はコロナ過により新人への研修に手間がかかるということで、監査未経験のUSCPAへの採用は控え気味とのことですが、コロナが落ち着けば監査法人のUSCPAへの採用ニーズは復活するものと考えられます。
監査法人転職を目指すロードマップ
それでは銀行員がUSCPAを取得して監査法人に転職するまでのロードマップを解説します。
ステップ①忙しくても勉強が継続できそうな予備校を選ぶ
USCPAに合格するために重要な要素のひとつは、予備校選びです。
各予備校によって教材の質やボリューム、学習環境が異なります。自分に合わない予備校に入学してしまい、貴重な時間とお金をムダにしていまう可能性もあるため、予備校選びは慎重にしたいです。
この中で、時間がない銀行員におすすめできる予備校はアビタス(Abitus)かなと思います。

なぜなら、講義や教材や20~30分で学習できるよう設計されており、スキマ時間をムダなく活用できるため、働きながら合格を目指す銀行員におすすめです。
⇒アビタスへパンフレット請求または説明会予約(いずれも無料)
ステップ②働きながら1年半でUSCPAを取得する
USCPAのライセンスは、働きながらさっさと取得しちゃいましょう。
できれば1年半で全科目合格を目標にしたいところです。
銀行員であれば、ある程度の前提知識(英語、会計、ファイナンス)があるので、初学者よりも勉強は進みやすいはず。
また銀行員は年収も比較的高いと思いますので、ある程度数回は不合格になる前提で、早めに試験申し込みしてしまうのもアリかもしれません(とはいえ1回約7万円は大きいですが…)。
ステップ③学習と並行して転職エージェントに登録しておく

USCPA学習と並行して、転職エージェントに登録しておきましょう。
監査法人はUSCPAの科目合格者でも求人を募集している可能性があるので、できれば早い段階で動き出したいです。
転職エージェントは、複数登録しておくことをおすすめします。エージェントを1社だけに限定してしまうと、得られる情報が偏ったものとなり、イメージと違った転職になってしまうリスクがあります。
例えば30代中盤以降の行員であれば、必ずしも監査法人に行って監査スタッフからスタートすることがベストとは限りません。
今まで培ってきた金融の知識やマネジメント経験を活かしつつ、さらにUSCPAが活きるような、あなたならではの転職先があるかもしれません。
したがって視野を広げるためにも複数の転職エージェントに登録しておくことをおすすめします。
未経験USCPAホルダー(銀行員)におすすめの転職エージェント
- 『ジャスネットキャリア』(士業・経理求人向け。未経験求人が豊富)
- 『MS-Japan』(管理部門・士業求人向け。未経験求人が豊富)
- 『コトラ(KOTORA)』(30代銀行員向け)
監査法人の希望部門は金融にしておく

監査法人では一般事業や国際、金融など多数の部門があります。
転職する際は、元銀行員のメリットを活かして金融部門を希望し、銀行のクライアントを担当しましょう。
「銀行がイヤで転職するのに、また同じ業界で働きたくないよ・・・」
と思うかもしれませんが、それでも最初は金融部門に行ったほうがいいです。
なぜなら、銀行員としての経験を一番活かすことができる部門であり、早く仕事に慣れるからです。
監査がつらくて、またすぐに監査法人をやめることになってしまっては、せっかくお金と時間をかけて取得したUSCPAという投資が回収できません。
監査法人で長く働くためにも、慣れ親しんだ業界の部門にいくことをおすすめします。
また希望を出せば法人内で部署の異動も簡単にできますので、監査に慣れたころに金融部門を離れてみるのもいいでしょう。
私も1年しか銀行にいませんでしたが、そのわずかな経験でも銀行監査にめちゃくちゃ活かすことができました。
むしろ社会人USCPAが監査法人に転職したら、転職元の業界知識を活かさないといけないとも思います。
USCPAは公認会計士合格者の人たちに比べて会計知識面が不足していることは否めないので、それ以外の部分で使えるものは全部使って、業務に貢献すべきです。
結果的に監査チームメンバーからも感謝され、仕事への充実感も味わうことができます。
ぜひ、今まで苦労した経験を、監査法人で活かしていただきたいと思います。
以上!