USCPA取得後の転職活動において、転職エージェントをどのように利用するかは非常に重要です。
転職エージェントは世に数えきれないほどあり担当者の質もピンキリです。担当者の都合のいい企業に転職させようとする転職エージェントもいます。エージェントに従って転職した結果、「自分の思っていた企業じゃなかった、もう辞めたい…」という状況に陥ってしまうかもしれません。特に30代や40代だと転職は慎重にやりたいはず。
私は、USCPA取得後に転職エージェントを利用して年収200万円アップ。その後も継続して複数の転職エージェントと対話してきました。
この記事では、USCPA取得後の未経験者、特に転職経験もない人でもすぐに使える転職エージェントの活用方法をお伝えします。
この記事を読んでおくことで、イケてない転職エージェントの言いなりになって、転職が失敗することはありません。
この記事の結論は、必ず複数の転職エージェントを利用するということです。そして転職エージェントを使いこなす意識を持ちましょう。
それでは解説します。

米国公認会計士
ポケモンにハマりすぎ単位ぎりぎりで地元の大学を卒業→銀行に入社するもツラすぎて1年で退職→税理士試験に挑むも1科目も合格できず挫折→働きながら1年10か月でUSCPA取得→BIG4監査法人(金融)
現在は大手財務アドバイザリーファームでM&A財務DD業務をやりながら、USCPAの勉強方法や監査法人への転職について発信してます。
未経験USCPAが転職成功させたいならエージェントを利用すべき理由
未経験者ほど、転職エージェントを利用した方が条件のいい転職先に採用されやすくなります。
転職エージェントを利用するメリットは以下のとおりです。
- 優良な非公開求人を紹介してくれる
- 応募書類の添削や面接対策をしてくれる
- 業界の最新情報を教えてくれる
- 転職先との条件面の交渉をしてくれる
- スケジュール管理もしてくれる
何度も転職を繰り返しているような、転職に慣れている人は直接企業と交渉することも可能ですが、ほとんどの人にとって1人でやるのは難しいです。
あなたの希望に合う企業に転職するためには、優秀な転職エージェントとチームを組んで転職活動する方が一番効率的なのです。
このように思う人もいるかもしれませんが、まさにその通りです。
イケていないエージェントの場合、あなたの意向に関係のない転職先をすすめてきたり、しつこく連絡をしてきたりする可能性があります。
したがってイケてないエージェントのカモにされないよう、あなたが主導的にエージェントを使いこなすという意識を持つ必要があります。
次項でそのポイントを3つ解説します。
転職エージェントを上手く使うポイント
ポイント①必ず複数のエージェントを使う
転職エージェントは1社だけではなく、必ず複数で利用するようにしましょう。
複数利用するメリットは以下のとおりです。
- 多くの非公開求人情報をゲットできる
- 優秀な担当者に出会いやすくなる
- 職務経歴書を複数の人にレビューしてもらえる
特に多くの求人情報をゲットできるのは最大のメリットです。
なぜなら、各企業には採用活動費の予算があるため、特定の転職エージェントにしか求人を出さざるを得ないからです。
例えば、後述するUSCPAの転職に強いエージェントとして、ジャスネットキャリアやMS-Japanが挙げられますが、企業側がどちらに対しても求人を出すのはレアケースです。人手不足でかつ規模の大きいBIG4監査法人などであれば複数の先に求人を出せますが、通常の企業であれば採用活動費に限りがあるため、1~2社程度にしか求人を出せないケースが多いです。
また企業としても、過去の実績から優良な転職エージェントだけを利用したり、できるだけ成功報酬が安く済むエージェントを使いたいと思うはず。
過去、私がお付き合いした会計事務所系企業のお客様も、マネージャー層とスタッフ層でそれぞれ転職エージェントを使い分けており、合計2社に対してのみ求人を出していました。
したがって後で後悔しないよう優良な求人を見つけるためには、複数の転職エージェントに登録しておくのがマストであり、転職活動のスタート地点であると言えるでしょう。
ポイント②担当者のアドバイスがズレてないか判断する
転職エージェントにいくつか登録したら、担当者がイケているかどうか判断する必要があります。
冒頭でもお話ししたとおり、転職エージェントや各キャリアコンサルタントはピンキリのため、自分の目でイケてる担当者かどうかを見極めなければなりません。
優秀な担当者かどうかはどのように判断すればいいか。
- (初回面談時)自分の意向をくみ取っているか
- (転職活動時)「能力」と「パーソナリティ」どちらのアドバイスをしているか
まず初回面談時には、担当者の発言やアドバイスが自分の意向をちゃんと汲み取っているのかをチェックするようにしましょう。
換言すると、担当者の都合で求人を薦めてきていないか、ということです。
例えばあなたが、多少給料が下がっても、USCPA資格を活かしてワークライフバランスの取れた企業に転職したいとします。
優秀な(というか普通の)エージェントなら、まずは残業などが少ない先の求人を紹介します。一方、イケてないエージェントは「結構保守的なお考えなんですね。ただ、人生のどこかで稼ぐ時期は必要だと思います。例えば…」といって、いきなり激務で有名な業界や企業をすすめてくることがあります。
これは転職エージェントが、転職先の年収の約15~30%のフィーを稼ぐビジネスモデルのため、あなたの意向に関わらず高年収の企業をすすめてくるケースです。私自身も、あるエージェントから実際にこれに近い発言をされたことがあります(あとで紹介する転職エージェントには当然含めていないので安心してください)。
したがって、目の前のエージェントが自分都合でアドバイスしていないか、本気であなたのためを思っているかを見るようにしましょう。
次に実際の転職活動、主に履歴書作成や面接対策する際に、担当者のアドバイスが的を得ているかをチェックしましょう。
当然あなたは転職のプロではないので、エージェントのことを全て評価することはできませんが、エージェントを少しでも見極めるためにも、また失敗しない転職にするためにも最低限知っておいた方がいいことがあります。
それは、企業側が採用したいと思える基準は「能力」と「パーソナリティ」ということです。
一般財団法人日本職業協会のキャリアカウンセリングの記事によると、職業の適合性は大きく「能力」と「パーソナリティ」に区分され、それぞれはさらに細分化されます。

少し見にくいので、企業側が採用する基準に置き換えたのが以下になります。
- 書類審査で「能力」(学歴・職歴・資格)がチェックされる
- 面接での受け答えで「能力」(頭の回転の速さ・的確さ)の再確認と、「パーソナリティ」(態度や一緒に働きたいと思える人か)がチェックされれる。
いくら能力やUSCPAを保有していても、「こいつとは一緒に働きたくない」と思われてしまったら採用されません。
優秀な転職エージェントなら、この点を踏まえてあなたの弱点を見抜きアドバイスを伝えてくるはずです。例えば
「〇〇さんはUSCPAホルダーで職歴も十分なので、面接ではやりたい仕事について楽しそうに話すようにして、姿勢をアピールしましょう」
と言った感じです。「能力」は十分だから「パーソナリティ」を強調しようというアドバイスですね。
このように採用の基準を知っておくことで、エージェントが的外れなアドバイスをしてこないか見極めることができますし、自身の面接にも活かすことができます。
ポイント③良い担当者からのアドバイスには徹底的に従う
何度も転職エージェントとコミュニケーションを重ねたうえで、信頼に値しうる担当者だと思えた場合は、その人のアドバイスは徹底的に従うようにしましょう。
なぜなら転職エージェントに「この人の転職が上手くいくように自分もサポートしよう!」と心の底から思ってもらえるようにすることで、さらに応援してもらいやすくなるからです。例えば企業との交渉も最後まで粘り強くやってくれたり、です。
「転職のプロなんだからそれくらい普通にやってくれよ」と思うかもしれませんが、転職エージェントも人の子です。ぞんざいに扱えば当然いい気持ちはしません。
逆に転職エージェントといい関係を保っておけば、エージェントから企業に「〇〇さんは本当にいい人で人格も素晴らしいので、是非お願いします!」と最後の一押しもしてくれるかもしれません。
したがって信頼できるエージェントからのアドバイスには徹底的に従いましょう。例えば、書類の添削や面接の指導も素直に受け入れるなどです。気持ちよく仕事をしてもらえますし、また転職のプロのアドバイスを取り入れることで、自信を持って面接をすることができます。
未経験USCPAおすすめの転職エージェントを紹介!
未経験のUSCPAが自分の望む企業に転職したいのなら、今までお伝えしたポイントを押さえて「転職エージェントを上手く使う」ようにすることが重要です。
私としてはUSCPAや監査法人、経理、財務に強い専門の転職エージェントを複数利用し、それぞれの対応を比較しながらあなたに合うエージェントと付き合っていくことをおすすめします。
おすすめの転職エージェントは以下のとおりです。
ジャスネットキャリア | MS-Japan | マイナビ会計士 | コトラ | JACリクルートメント | |
---|---|---|---|---|---|
公開求人数 | 3,272件 | 6,279件 | (転載禁止) | 15,500件 | 13,039件 |
非公開求人数 | 全体の99%が 非公開 | 2,408件 | 全体の80%が 非公開 | 全体の80%が 非公開 | 非公開 |
おすすめ ポイント | 会計士やUSCPA の求人に強い。 未経験者向け 求人も多数 | 管理部門、士業 の求人に特化。 未経験者向け 求人も多数 | マイナビならではの 大手企業の求人が 豊富。アドバイスや 選考対策が充実 | 金融、コンサルに 特化。ハイクラス、 高年収の求人が豊富 | 管理職、専門職の 求人が豊富。 グローバル転職が強み |
メイン エリア | 関東 関西 東海 | 関東 関西 東海 | 全国 | 関東 関西 東海 | 全国 |
公式HP | ジャスネット キャリアHP | MS-Japan HP | マイナビ会計士 HP | コトラHP | JACリクルートメント HP |
ジャスネットキャリア

未経験者におすすめしたい転職エージェントのひとつが『ジャスネットキャリア』です。
ジャスネットキャリアは、会計士・税理士・USCPA・経理の求人を取り扱う転職エージェントです。
雇用形態別(正社員、契約社員、業務委託など)での求人も多数取り揃えており、未経験者向けの求人も豊富です。
また公式HPに
「ジャスネットコミュニケーションズは、ご登録者の皆様と、会計、税務、経理・財務分野に携わる皆様のキャリアに一生寄り添い、共に歩んでいきたいと思っています」
と理念が記載されていますが、私が使ってみて、実際にその通りだなと感じました。
私の場合、面談はアドバイザーが2名つき、1時間半も面談時間をとっていただきました。
(他の転職エージェントと比べて最長です)
最初の面談ではいきなり求人を紹介するようなことはせず、「今日はたけぞうさんの価値観や10年後どうなっていたいかを一緒に考えたい」と言ってくださいました。
USCPA転職市場の動向もかなりぶっちゃけてお話していただき、アビタスなどUSCPA予備校が言いづらいような本音も言ってくれます。
また定期的にメールで、会計実務担当者へのセミナーや講座の案内をしてくれるので、こちらもありがたいです(自分も時間に余裕ができたら、実務エクセル講座を受けたい…)。
このように、掲げている理念とエージェントの姿勢が一致しているので、かなり信頼性が高い転職エージェントと言えるでしょう。
「監査法人に転職させて、はい終わり」
ではなく、長期間にわたって共に寄り添ってくれる安心感があるのでおすすめです。
- 他の転職エージェントと併用して利用しました。登録し、求人を紹介してもらったところ、ほとんどの求人が非公開求人でした。条件の範囲で優良な企業が紹介され、希望の企業に出会うことが出来ました。(20代女性)
- 会計・税務・経理・財務の求人に特化しているため、業界の傾向にも詳しく、面接でのアピールポイントなど細かい情報を提供してくれました。(30代男性)
- 職務経歴書の修正提案をいただきました。 ネガティブな印象を持たれかねない表現になっていたことに気づかせていただき改善することができました。(30代男性)
- (出典)CAREERECO(https://hakenreco.com/jusnetcareer)
⇒ジャスネットキャリアの独占・非公開求人を紹介してもらう(登録無料)
MS-Japan

『MS-Japan』は管理部門・士業特化の転職エージェントです。
大企業の経理、財務、法務と言った管理部門のほか、会計事務所、税理士事務所の士業の求人も多数取り揃えています。業種に特化しているおかげで、未経験者向けの求人も豊富です。
私が求人を見ていても、ニッチなものも含めて求人を豊富に取り揃えているなあと感じています。アビタスの求人だと、基本的に求人は監査法人がメインとなっていますが、MS-Japanであれば、英語と会計と金融が活かせるファンド経理求人も取り扱っています。
またキャリアアドバイザーも対応が丁寧で、面談後に多数の求人票を送ってもらい、非常に参考になりました。
こちらも「一度面談したら、はい終わり」ではなく、面談後も忘れたころにおすすめの求人を送ってくれる気遣いが素晴らしいので、長期的なお付き合いをしたい転職エージェントと言えます。
- MS-Japanは大手エージェントだけあって、業界経験者や資格必須といった条件だけではなく、「未経験OK」「資格受験生歓迎」などのフレーズも目立っていた様に感じます。当時、資格の合否待ちの身でしたが、応募できる求人を紹介していただけたのは有難かったです。(30代男性)
- 他社の転職サイトでは扱っていない非公開の求人を多数紹介してもらえました。規模が小さい事務所から、100人規模の法人・事業会社など、多様な求人があったのはとても良かったと思います。(20代女性)
- ネットなどにも掲載されている評判の通り、バックオフィスの取り扱い案件数は他のエージェントと比較にならないほどずば抜けており、上場企業の非公開案件も多かった。(40代男性)
- (出典):ナビナビ(https://www.a-tm.co.jp/top/job-change/jmsc/)
マイナビ会計士

『マイナビ会計士』は転職大手マイナビが運営する「会計士を専門とした」転職サイトです。
求人は一般事業会社(大企業)向けの求人が多い印象です。
また大手が運営している転職サイトということもあり、
サービスが手厚く安心度も高いと評判が高いです。企業などとの面接や入職日の日程調整はマイナビ会計士側で行ってくれるため、応募先との交渉や調整関連はすべてキャリアアドバイザーに任せることができます。また面接・応募書類対策が充実しており、面接に関しては本番を想定した面接練習を行い、アドバイスを貰うことができます。
ただ、個人的には登録はマストではないかなと思っています。
私の場合、初回面談は電話で行われ、時間は最短の30分でした。
その後、求人票をいくつか送付してもらいましたが、そもそも自分が希望したニーズをエージェントが理解しているか微妙なものでした。
ぶっちゃけ、エージェントは「マイナビ」の看板にもたれかかっているなという印象を受けましたね笑、流れ作業的に対応してるんだろうな、という。
ですのでマストとは言えないものの、なんだかんだ転職サービスは手厚いので、とりあえず登録しておくことをおすすめします。
- マイナビ会計士は、要望にすばやく対応していただけた点、現実的な視点からアドバイスをいただけた点、転職先が決まってからのフォローが丁寧だった点が良いと感じました。(30代男性)
- 1~2週間をかけて丁寧な応募書類の添削を受けたり、それぞれの法人の違いや特徴、面接傾向などを教えてもらいながら面接対策をしたりと、入念な準備を行いました。結果、未経験から大手税理士法人の国際税務ポジションへ転職成功できました。(30代男性)
- やはりマイナビグループであるため、名前の知れた大手企業の紹介が多く、安心してサービスを受けることができました。(40代男性)
コトラ

『コトラ(KOTORA)』は金融、コンサルのハイクラス層、経営幹部・エグゼクティブの転職支援に強みを持ったエージェントです。
各業界に熟知したコンサルタントが、最新のポジションを紹介してくれます。独自ネットワークを活かした非公開求人が10,000件以上と豊富で、多数のハイクラス求人を取り扱っています。またコトラは、日経グループの「日経ヒューマンリソースエージェントアワード」で、5年連続(2015-2018)してMVPなどを受賞しています。外部機関からも高く評価されている、コトラの実績や担当者の質の高さは魅力的です。
拠点は東京1か所であり企業本社の案件が中心となるため、関東圏の案件が多いです。
また、業界・職種としては、金融・コンサルが最も多く、次いでIT・事業会社・製造業関連が中心となります。
したがって、USCPAを取得した30代銀行員(首都圏在住)であれば登録しておくべきエージェントでしょう。
JACリクルートメント

『JACリクルートメント』は管理職・技術/専門職の転職に強いエージェントです。
東証一部上場企業であり、業界規模はリクナビ、マイナビに次いで3位で実績も豊富です。
管理職、専門職、外資、グローバル企業に圧倒的な強みがあり、年収600万円以上の独占案件・非公開案件が豊富です。したがって何が何でも年収をアップさせたい人や、30代・40代でUSCPA取得を目指す人は、必ず登録しておきたいエージェントです。
リベラルアーツ大学の両学長もおすすめしています。
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まとめ:情報収集だけでもできるようにしておこう
昔と比べて転職できる限界年齢は、年々上がってきています。
以前より30代以上の転職はしやすくなっているものの、それでもなお20代~30代前半が最も成功率が高いとされています。
人生の旬な時期を最大限生かすためにも、早めに行動することをおすすめします。
まずは転職エージェントに登録して、非公開求人の情報をゲットできるようにするところから始めましょう。
このように思うかもしれませんが、転職エージェントに登録するのはカンタンです。
ジャスネットキャリアを例に登録方法(無料)を説明します。




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転職エージェントを上手く使いこなして、あなたの希望の転職先にいけることを願っています!
以上!