税理士試験は、合格するのが難しかったり、膨大な勉強量が求められたりします。そのため、ノイローゼになる方が少なくありません。
私も税理士試験にチャレンジして、挫折した経験があるので気持ちはよくわかります。
実際、不合格になった際は、嗚咽が出るほど泣きました。
税理士試験でノイローゼになるのは、精神的に限界を向かえている証拠です。なにもせずに放置しておくと、心身共に危険な状態に陥る恐れがあります。
この記事では、税理士試験に挑戦している方に向けて、
- ノイローゼになる原因
- 対処法
- 回避するための選択肢
などを元受験生の視点から解説します。
最後まで読むことで、心の健康を保ちながらキャリアを目指せる方法がわかります。「税理士試験に挫折しそう」「勉強に追われてつらい」と悩んでいる方は、ぜひご一読ください。
この記事を書いている人
単位ギリで地元の駅弁大学卒業→銀行に入社するもツラすぎて1年で退職(年収300万)→税理士試験に挑むも1科目も合格できず挫折(年収380万)→働きながら1年10か月でUSCPA取得→BIG4監査法人金融部転職(年収600~690万)→TOEIC855点獲得→大手FAS(年収910万)
昔の私のような低スペック会社員がUSCPA(米国公認会計士)資格を活かして年収アップさせる方法を発信してます。
USCPA資格のおかげで年収380万円から910万円に
税理士試験でノイローゼになる7つの原因
税理士試験でノイローゼになるのは、主に以下7つの原因が考えられます。
- 試験に落ち続けている
- 膨大な勉強量が必要である
- 年に1回しか受験できない
- 経済的負担がかかっている
- 他人と比較している
- 自己嫌悪におちいっている
- 試験内容が難しく理解できない
ご自身の状況と照らしあわせながら、ぜひ確認してみてください。
1.試験に落ち続けている
税理士試験の合格率は、およそ10~20%です。
科目別の合格率は以下のとおりです。税理士になるためには、下記の中から5科目の試験を受けて合格する必要があります。
科目 | 合格率(2022年) | 必須/選択 |
---|---|---|
簿記論 | 23.0% | 必須 |
財務諸表論 | 14.8% | 必須 |
所得税法 | 14.1% | 選択必須 |
法人税法 | 12.3% | 選択必須 |
相続税法 | 14.2% | 選択 |
消費税法 | 11.4% | 選択 |
酒税法 | 12.6% | 選択 |
国税徴収法 | 13.7% | 選択 |
住民税 | 12.7% | 選択 |
事業税 | 12.6% | 選択 |
固定資産税 | 12.8% | 選択 |
簿記論を除くと、どの試験も合格率は20%を下回っています。
税理士試験は簡単に合格できるものではありません。何度もチャレンジしても、不合格になっている人は多く存在します。
試験に落ち続けると、自然と焦りや劣等感が生まれてしまいます。たとえば、転職先が限られてきたり、周囲の友人はキャリアアップしたりすると、精神的にも負担がかかるでしょう。
なお、試験に落ち続けている人は、合格から遠のく行動をしてしまっている恐れがあります。詳しくは関連記事「【知らないと損】税理士試験に受からない人の特徴5選!受かるためのポイントも徹底解説」にて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
2.膨大な勉強量が必要である
税理士になるには、5科目の試験を受験して合格する必要があります。そのため、必然的に勉強時間が長くなってしまうのです。
あくまでも目安ですが、税理士試験合格のためには3,000時間以上の時間が必要です。6~7年の長期にわたって勉強しなければならず、モチベーションを維持するのも大変です。
税理士試験合格のためには、黙々と学習し続けるメンタルが求められます。
3.年に1回しか受験できない
税理士試験は、年に1回しか受験できません。つまり、試験に落ちると、受験できるのは1年後になってしまうということです。
余談ですが、税理士試験は毎年8月に実施されています。
チャンスが1年に1回しかないため「今年こそは合格しなければならない」とプレッシャーに感じている人も少なくありません。その結果、ノイローゼになってしまうことが考えられます。
4.経済的負担がかかっている
税理士試験に合格するために、教材を購入したりスクールに通ったりしている人もいるでしょう。
5科目合格するためには、教材で20~60万円、スクールで80~100万円の費用が必要です。決して安い金額ではないため、金銭面で負担に感じる場合があります。
お金がなくなると、徐々に心の余裕もなくなってくるものです。
特に、家庭を持っている方は、家族に迷惑をかけてしまう恐れがあります。「合格できないから収入が低いまま」「スクールの受講費のせいで子どもに好きなものを買ってあげられない」などと悩む方も珍しくありません。
5.他人と比較している
モチベーションを保つために、SNSで税理士試験を受けているユーザーとつながっている人も多いのではないでしょうか?
模試の結果や試験本番のできをつぶやくユーザーは多いです。そのため、自分ができていなかったときに、他人と比べてみじめな気持ちになってしまう恐れがあります。
特に、他の人が合格していて、自分が不合格だったときは本当にストレスです。周りの目を気にするようになり、税理士試験に落ちる自分をコンプレックスに感じてしまいます。
6.自己嫌悪に陥っている
税理士試験に落ち続けると、自己嫌悪に陥るケースが多いです。
最初は「税理士を取得したい・稼ぎたい、中小企業に貢献したい」と思って試験勉強をしていたのに、いつの間にか「税理士に合格できない自分は最低だ」という思考になることも珍しくありません。
このように手段が目的に変わっていくことで、徐々にノイローゼになってきます。
7.試験内容が難しく理解できない
税理士試験の内容は難しく、なかなか理解できないことが多いのではないでしょうか。
わからない内容が多くなってくると「こんな状況で合格できるのか?」と不安になります。そのため、ずっと試験勉強を続けていくうちにノイローゼになることもあるでしょう。
特に、独学で学んでいる方は注意が必要です。
疑問を聞ける人が近くにおらず、わからない内容を解決できない恐れがあります。
税理士試験の勉強を続けている受験生の中には、ノイローゼになりかけている方も多いでしょう。関連記事「【元受験生が暴露】税理士試験はやめとけと言われる理由5選!難易度を他の資格と徹底比較」では、税理士試験の実態について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ノイローゼの原因は税理士試験以外の可能性がある
税理士試験以外の要因でも、ノイローゼになることが考えられます。特に、ブラックな職場環境で働いている方は注意が必要です。
事務所のなかには、残業時間が月40時間を超えたり、試験前しか休暇がとれなかったりする場合があります。
私が会計事務所で働いていたときは、5日しか有給をもらえませんでした…。
このようなブラックな環境では、税理士試験の学習時間を確保するのは難しいです。最悪の場合、働くこと自体がつらくなってしまう恐れもあるでしょう。
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税理士試験でノイローゼになった・なりそうなときの対処法4選
税理士試験でノイローゼになった・なりそうなときは、以下4つの方法を実践してみてください。
- リフレッシュをする
- 悩みを相談する
- 学習方法を変えてみる
- 税理士試験を受け続けるか考える
心が限界な状態を放置しておくのは危険です。なにか行動を起こして、自分のことを労わってあげてください。
1.リフレッシュをする
ノイローゼになった・なりそうなときは、心が限界な状態です。まずはリフレッシュして休むことに意識を傾けましょう。
厚生労働省では、メンタルケアの方法として以下のような行動をおすすめしています。
- 体を動かす、運動する
- 今の気持ちを紙に書き出す
- 音楽を聴く
- 腹式呼吸を繰り返す
「勉強しなきゃ」「休んでいる暇はない」と思うかもしれませんが、思い切って休むことが大切です。気分転換になって、税理士試験の勉強に身が入るようになります。
メリハリをつけるために、事前に休む期間を決めておくのがおすすめです。
2.悩みを相談する
自分1人で抱え込んでいても、状況は解決できません。そのため、家族や友人に税理士試験に関する悩みを話してみることをおすすめします。
近くに受験仲間がいると相談しやすいです。
なお「毎朝吐いている」「涙か止まらない」などの状態が続く様なら、精神的に限界がきているサインです。
このような場合は、病院にいって医師によるカウンセリングを受けることも検討してみてください。また会社の産業医や厚生労働省「こころの耳の相談窓口」などに相談するのもおすすめです。
3.学習方法を変えてみる
税理士試験の学習方法を変えることで、合格が見えてくる可能性があります。具体的な対策として、教材を変えてみたり、独学でしている方はスクールに通ったりするなどが挙げられます。
「試験に落ち続けている」「苦手分野が潰せない」という方は、学習方法を変えることも視野に入れてみてください。
なお、スタディングの税理士講座は、短期間で合格した人々のノウハウを活かした学習を展開しています。たとえば、スキマ時間を活用できるビデオ講座が用意されていたり、復習問題を自動的にピックアップする機能が搭載されていたりします。
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4.税理士試験を受け続けるか考える
税理士試験が原因でノイローゼになっているのなら、本当に受験を続けるのか考えましょう。特に、リフレッシュしたり誰かに相談したりしても状況が改善しないのなら、注意が必要です。
思い切って、税理士試験から撤退するのもひとつの方法です。試験で学習した内容を活かして、別の資格を取得することを視野に入れてみてください。
なお、私は税理士からUSCPA(米国会計士)取得のために学習を切り替えました。その結果、働きながら1年10カ月で合格し、監査法人への転職に成功しています。
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税理士試験を受け続けるか迷った際には、関連記事「【税理士試験はおかしいのか】税理士をあきめるか迷ったときの考え方を元受験生が解説します」をご覧ください。挫折を味わった私だからこそ、受験生に伝えたいことをまとめています。
ノイローゼを回避したい人が検討すべき選択肢3つ
税理士試験でノイローゼになるのを回避したい方は、以下3つの選択肢を検討してみてください。
- 働きやすい会計事務所でマイペースに税理士を目指す
- 企業の経理などの別の職種への転職を目指す
- 税理士試験の知識を活かせる資格を取得する
これらの選択肢は、税理士試験について今後の方向性を左右するものでもあります。
なお、どの選択肢を選んだとしても、正解不正解はありません。「自分はどうしていきたいのか」「本当に税理士になりたいのか」などを踏まえ、確認してみてください。
1.働きやすい会計事務所でマイペースに税理士を目指す
働きながら税理士を目指したい人向けの選択肢です。
ブラックな環境で働いている方は、残業が少なかったり休みが取りやすかったりする会計事務所への転職を視野に入れてみてください。学習時間を確保しつつ、税理士に必要な知識を学べるのがメリットです。
一旦ホワイトな環境に身を置いて、自分のペースで5科目の合格を目指しましょう。
学習時間を確保できるホワイトな会計事務所を探したいのなら、税理士業界専門の転職エージェント「ヒュープロ」の利用がおすすめです。求人票だけでは伝わらない事務所の雰囲気も教えてくれるため、転職前後のギャップが少ないです。
ヒュープロについて詳しく知りたい方は、関連記事「【生の口コミ】ヒュープロ(Hupro)の評判を知りたい!メリット・デメリットや利用の流れや徹底解説」をチェックしてみてください。
2.企業の経理職などの別の職種への転職を目指す
独立しないなら、税理士を目指すのはコスパが悪いです。独立志向がない方は、別の職種への転職を検討しましょう。
特に、企業の経理職は税理士としての経験が優遇されやすいです。科目合格している場合は、上場企業への転職も選択肢に入ります。
簿記論や財務諸表論などは、経理・税務業務で評価されやすいです。
上場企業の経理は、年収が高かったり有給が取りやすかったりと高待遇です。「税理士として独立して大きく稼ぐ」というのは難しいですが、安定的に高収入を狙えるでしょう。
ヒュープロでは、企業の経理職についての求人も多数取り扱っています。会計事務所以外での仕事を探したい方はぜひ無料登録して、求人情報を覗いてみましょう。
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3.税理士試験の知識を活かせる資格を取得する
ノイローゼを回避するために、思い切って税理士試験の受験から撤退するのも方法のひとつです。精神的に追い込まれてまで、試験を続けていては心身ともに疲れ果てて、取り返しのつかない状況に陥るかもしれません。
税理士試験の勉強で得た知識やノウハウは、他の資格取得でも活かせます。特におすすめしたいのが、アメリカの会計士の資格であるUSCPA(米国会計士)です。
税理士試験の簿記論や財務諸表論は、USCPA(米国会計士)試験のFAR(財務会計)やREG(税法)に活かせます。そのため、0から学習を始めるよりも合格しやすいです。
税理士試験に1科目も合格できなかった私ですが、USCPA(米国会計士)は働きながら1年10カ月で取得できました!
取得することで、専門職として高年収企業への転職も可能となります。日本在住者の平均合格率は、34%であり、税理士試験と比べると合格率が10%以上高いのも魅力といえるでしょう。
税理士試験の受験生におすすめの資格であるUSCPA(米国会計士)について詳しく知りたい方は、関連記事「USCPA(米国公認会計士)資格とは|年収200万アップした合格者が難易度/試験制度/年収を徹底解説!」をチェックしてみてください。
税理士試験でノイローゼになったらキャリアを切り替えることも検討しよう
税理士試験でノイローゼになるのは珍しくありません。主に、試験に落ち続けていたり、勉強に集中できないブラックな職場環境に勤務していたりするのが原因です。
精神的に限界がきているのなら、リフレッシュや誰かへの相談を考えましょう。
また、ノイローゼになるくらいなら、思い切って税理士試験をあきらめるのも選択肢のひとつです。
実際に、私は税理士試験からUSCPA(米国会計士)に切り替えて正解でした!
精神的に追い込まれたり、体調を崩したりして人生の貴重な時間が潰れてしまうのは非常にもったいないです。税理士試験の受験を続けるかどうか今一度、冷静に考えてみるようにしましょう。
税理士試験の受験生がUSCPA(米国公認会計士)を取得するメリットについては、関連記事「毎年不合格&安月給の税理士受験生にUSCPA(米国公認会計士)をおすすめする理由を元税理士試験受験生が解説!」にて紹介しています。あわせてチェックしてみてください。
取得資格の切り替えも視野に入れて、自身が納得できるキャリアを選択してみてください。
以上!