USCPAとは

【取得する意味ない?】USCPA(米国公認会計士)とはどんな資格か資格保有者が解説します

こんにちは、たけぞうです。

「よくネット広告でUSCPAって見るけど、どんな資格なの?」
「おすすめの転職先はどこ?」
「地方に住んでいる自分には意味ないでしょ?」
今回はこういった疑問に答えます。

本記事では
USCPA(米国公認会計士)とはどんな資格か
を解説していきます。

たけぞう
米国公認会計士

ポケモンにハマりすぎ単位ぎりぎりで地元の大学を卒業→銀行に入社するもツラすぎて1年で退職→税理士試験に挑むも1科目も合格できず挫折→働きながら1年10か月でUSCPA取得→BIG4監査法人(金融)
現在は大手財務アドバイザリーファームでM&A財務DD業務をやりながら、USCPAの勉強方法や監査法人への転職について発信してます。

USCPAとは

概要

USCPAとはアメリカの会計士資格の略です。

USCPAとは(U.S. Certified Public Accountant, 米国公認会計士)、米国各州が認定する公認会計士資格です。
米国の資格でありながら、日本をはじめ世界中の様々な業種、職種、年齢の方が就・転職、キャリアアップなどのさまざまな目的でUSCPA試験にチャレンジされています。
このことからもUSCPA(米国公認会計士)は、世界で最も広く認知されたビジネス資格と言っても過言ではありません。

出典:アビタスHP

USCPAを取得することで、「英語」と「会計」のスキルが一度に身に付けることができます。

その他の特徴としては、アメリカの資格でありながら、日本国内でも受験可能(東京・大阪)です。
昔は受験のためにわざわざアメリカ本土に行かなければいけませんでしたが、現在は受験のハードルが下がっています。

またビック4と言われる大手を含め(新日本、あずさ、トーマツ、PwC)、高給とされる監査法人に転職できるのも大きな特徴です。

また世界的経営コンサルタントの大前研一さんが、有用であると判断する資格の一つとしてUSCPAを挙げてらっしゃいます。

日本の資格の大半は、役所の許認可権拡大拡充のために設けられていたり、もはや内容が古すぎて、グローバル・ビジネスの最前線ではもちろん、国内ですら通用しなくなりつつあるからだ。
(中略)
資格取得によって地位や雇用が確保できるわけではない。
このことを踏まえた上で、私が有用と判断する資格を2つ紹介しよう。

●MBA(米国経営学修士)
●USCPA(米国公認会計士資格)

以上がサラリーマンが目指すべき2大資格である。これらは、当然のことながら相当に高い英語の能力も必要とされる。資格取得を目指すなら、このレベルを目標とすべきである。

出典:ドットコム仕事術(大前研一 著)

USCPAを取得するメリットとは

働きながら合格を目指せる

USCPAの最大のメリットは、働きながら合格を目指せることです。

日本の公認会計士資格のように、仕事を辞めて受験に専念する必要はありません。
学習時間は約1,200~2,000時間程度といわれ、社会人であれば働きながら1~2年程度合格できる資格だと思います。

また、USCPA取得後の主な転職先は以下のとおりです。

  • 監査法人
  • 一般事業会社(経理・財務)
  • 税理士法人・会計事務所
  • コンサルティングファーム

USCPA取得者は、会計業務未経験でも上記の企業からオファーを得ており、幅広い業種や職種においてそのスキルを活かすことができます。

したがって退職してキャリアを中断させることなく、上記の転職先を目指せるのがUSCPAのメリットになります。

監査法人に転職できる

USCPAの最大のメリットが、監査法人へ転職できることです。

特に、明確なキャリアプランがない人にはとりあえず監査法人に入ることをおすすめします。その理由は下記のとおり。

  • 年収がそこそこいい
  • USCPAを一番活かせる
  • 監査法人後のキャリアも広がる

監査法人の年収の目安は以下のとおりです。

職位昇格までの期間年収説明
スタッフ3~4年500~600万円現場の作業部隊
シニアスタッフ3~4年700~900万円一人前の会計士
マネージャー3~4年?900~1,100万円現場監督
シニアマネージャー実力次第1,200万円~マネージャーの上位
パートナー1,700万円~役員であり株主
(出典:週刊ダイヤモンド2021年2月13日7号)

USCPAを取得したら、基本的にスタッフとして転職することになります。マネージャーまでは基本的に4年ごと昇進するため、安定して昇給も見込める企業と言えます。

監査法人は、USCPAを取得すれば会計業務未経験でも入社することが可能で、次の転職先でも幅広い選択肢が生まれます
したがって、自分のキャリアプランが明確でなければ、とりあえず監査法人に入っておくことをおすすめします。

またコロナ過により在宅で働きたい人にとっても監査法人はおすすめですあ。
USCPA保有者の求人をみると在宅OKなものが多く、私が監査法人にいたときも週3日以上は在宅勤務になっていることが多かったです。
なお、在宅ワークで働ける資格を検討されている方は、資格ハックさんのサイトが参考になると思います。

仕事に活かせる英語力が身に付く

USCPAの学習を通じて、仕事に活かせる英語力が身に付くこともメリットです。

TOEICよりもはるかに実践的なビジネス英語を覚えるため、英語の仕事に対して耐性がつきます。

例えば、USCPA試験に出てくる会計やファイナンス、法律の英単語は、業務上めちゃくちゃ出てくるので、英文を読むのにストレスがあまりありません。

例え合格できなかったとしても、確実に自分のスキルアップにつながるでしょう。

USCPAを取得するデメリットとは

公認会計士・税理士よりもキャリアが狭い

デメリットは、公認会計士や税理士と比べるとUSCPAはキャリアの幅が限定されやすい点になります。

前者は専門家として独立開業もできるのに対して、後者はサラリーマン以外の選択肢がほぼないです。

逆に言うと、自分は独立する勇気もなくずっとサラリーマンでいいという人には、USCPAはコスパがいいと言えますね。

地方に求人がない

USCPAの求人は、首都圏や大都市がほとんどです。

地方に求人はほぼないため、求人の少なさもUSCPAのデメリットと言えるでしょう。

では地方在住者は諦めなければいけないかというと、そういうわけでもなく。
USCPAとして地方で働き続ける方法を紹介します。

  1. 地元の求人を探す
  2. 求人のある近隣の大都市に引っ越す
  3. 期間限定で首都圏の監査法人で働いたあとに地元に戻る

私が一番おすすめするのは、「期間限定で首都圏の監査法人で働いたあとに地元に戻る」です。

BIG4と呼ばれる大手監査法人には、全国に地方事務所が存在します。
いきなりそこで働くことができればベストですが、基本的に公認会計士の人しか求人がないケースがほとんどです。
転職先との交渉次第だと思いますが、USCPAとしていきなり地方事務所に転職するのは現状難しいと思われます。
したがって、一度東京などの首都圏の事務所に転職し、3~5年程度監査経験を積んでから地元の事務所に異動するルートをおすすめします。
監査法人内での異動はわりと頻繁に行われているため、希望通りに行くケースが多いです。

最悪希望通りにいかなかったとしても、貴重な「監査経験」を身につけた後に、地元の上場企業の経理・財務部門に転職することも十分可能です。

受験コストが高い

USCPAは取得までに非常に費用がかかる資格です。

予備校費用や受験費用など、総額で約80万円~130万円かかります。特に受験費用が高く、1科目あたり約7万円になります。(費用の内訳は後で詳しく解説します)

自己投資額としては負担が大きいため、挑戦するのには勇気がいりますが、その分、高い年収の企業に転職しやすい資格です。

USCPAになるまでの流れ

USCPAになるためには、大きく

「試験の全科目合格」「ライセンス取得(主に実務経験が要件)」

が必要です。

USCPAになるために必要なこと具体的なステップ
試験の全科目合格①出願州の選択
②受験資格を満たして受験
③全科目合格(4科目)
ライセンス取得④実務要件を満たして申請

USCPA試験は、まず①出願する州を選び②受験資格を満たします。そして③全科目合格する必要があります。

試験合格後、④一定の実務要件を満たしてUSCPAのライセンスを取得します。

ここで一番ハードルになるのが、②受験資格(4年制大学卒と単位)と④実務要件ですが、基本的に4年制大学卒であれば誰でもUSCPAを目指せます。

単位はUSCPA予備校を通じて取得でき、実務は全科目合格後に転職して経験すればいいからです。

【関連記事】【USCPAの受験資格とは】思ってるよりも難易度は高くない理由も合格者が解説

USCPAを取得するまでの費用

USCPAは取得するのに非常に高いコストがかかります。

USCPA取得までにかかる費用(支払タイミング順)

  1. 予備校費用:約30~80万円
  2. 受験手続き費用:約数万円
  3. 受験費用:約30万円+1回不合格ごとに約7万円
  4. ライセンス発行費用等:約10万円

総額約80~130万円(+1回不合格ごとに約7万円)

【関連記事】USCPAの費用総額と安くする方法を合格者が解説

私の場合、USCPAの総費用は約120万円ほどでした。
AUDとBECで合計2回落ちたので試験受験料は7万円×6回=42万円払いました・・・。
また当時は地方に住んでいたので、受験のたびに東京に行って受験していたため、新幹線代とホテル代で合計20万円は使ったと思います。

当時は会計事務所で安月給だったので、出費が本当にツラかったです・・・。
ただ合格後は監査法人に転職できたので、東京で一人暮らしになってもわりとすぐに回収できました。

USCPA試験とはどんな感じ?

難易度

USCPA試験の出題方針は、「浅く広く」が特徴の試験です。
各科目75%が合格の目安とされおり、会計士としての基本知識を問う問題ばかりです。

USCPAの学習時間は約1,200~2,000時間とも言われます。日本の公認会計士や税理士は最低3,000時間ですから、それらと比較すると難易度は低く、日本在住者の平均合格率は34%ほどとなっています。

【関連記事】USCPAのリアルな難易度を合格者が解説【簿記1級や税理士試験とも徹底比較】

社会人の勉強期間

USCPA合格までの勉強時間は、受験する人のスペックにも大きく左右されるため一概には言えません。
ですが自分や周囲の人の経験から、あえて目安をお伝えするとしたら下記のようになると考えています。

会計の知識はもちろん、英語の長文問題に対する情報処理能力も求められるため、USCPAは公認会計士試験や税理士試験よりも難易度は低いですが、それなりの難関資格であることは間違いありません。

独学や、メルカリでテキストを買ってUSCPA予備校を利用せずに、1年程度で合格する人もいるようですが、そういったケースはかなり例外かと。

ちなみに私の場合、USCPA予備校のアビタスを利用して、平日約2時間・休日約4時間の勉強で、1年10か月で合格しました。忙しいときは1日30分しかできないときもありましたし、本当に集中力がないので休日は4時間が限界でした・・・。

USCPAを取得するなら予備校の利用が断然効率的!

USCPAを取得したいなら、独学ではなく予備校を利用したほうが断然効率的です。

なぜなら、単位取得や試験申込、ライセンス取得手続きなど、個人で手続きをするのが非常に難しい制度だからです。

また難易度もそこそこ高く、英語での学習は挫折しやすいので、独学でやろうとすると貴重な時間をお金をムダにしてしまう可能性があります。

早く合格したいなら、さっさと予備校を利用しましょう。

たけぞう

USCPAの予備校選びをこんな風に思っていませんか

  • USCPA予備校はどこを選んでも一緒
  • 資格大手の大原やTACを選んでおけばいいでしょ
  • とにかく安く済ませたい(予備校の費用だけしか見ていない)

このような思考だとほぼ確実に挫折します!

\後悔しないUSCPA予備校がわかる/

以上!