- 「税理士試験になかなか合格できない…」
- 「無資格だから給料も低いし、貯金もできない…」
- 「いずれ独立したいと思っていたけど、このままの状態で本当にできるのかな…」
今回は、税理士試験に合格できず、給料も低く、現状がつらい税理士受験生に、USCPA(米国公認会計士)試験に切り替えることをおすすめする理由について解説していきます。
最初に断っておきますが、私は税理士と税理士試験に挑戦している人のことをめちゃくちゃリスペクトしています。
ですが、順風満帆に科目合格できず、毎年落ち続けて苦しい思いをしている人もいます。私もそうでした。
今回はそんな人のために、私の実体験も踏まえ、税理士受験を諦めてUSCPAに方向転換する選択肢もあること、そしてメリットについて解説します。この記事を読めば、今のつらい状況や将来の不安に対する解決策になるかもしれません。

米国公認会計士
ポケモンにハマりすぎ単位ぎりぎりで地元の大学を卒業→銀行に入社するもツラすぎて1年で退職→税理士試験に挑むも3年間で1科目も合格できず挫折→働きながら1年10か月でUSCPA取得→BIG4監査法人(金融)
現在は大手財務アドバイザリーファームでM&A財務DD業務をやりながら、USCPAの勉強方法や監査法人への転職について発信してます。
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税理士試験とUSCPA試験の比較

税理士試験とUSCPA(米国公認会計士)試験を比較してみます。
税理士 | USCPA | |
---|---|---|
受験機会 | 年1回(8月上旬) | ・ほぼ毎日受験可能 ・会場は東京or大阪のみ |
合格発表までの期間 | 約4か月後 | 約3週間後 |
目安勉強時間 | 3,000時間以上 | 1,000~2,000時間 |
おおよその合格期間 | 6~7年 | 1~2年 |
費用 | 50万円~ (講座料1科目約10万円~) | 90~110万円 (受験料含む) |
キャリア | ・独立 ・会計事務所 ・税理士法人 ・事業会社経理 ・税務コンサル/アドバイザリー | ・監査法人 ・事業会社経理/財務 ・コンサル/アドバイザリー ・外資系企業 (日本での独立は難しい) |
勤務地 | 全国どこでも | 首都圏が中心 |
税理士試験は、受験機会も年1回に限られ、合格発表までの期間も最長です。
また目安勉強時間も3,000時間以上も要するため、試験内容および試験制度ともに難易度が最も高い資格と言えるでしょう。
一方税理士は、合格さえしてしまえば誰でも独立できます。転職先にも困らないため、キャリア選択において非常に強い資格のひとつと言えます。
USCPAの場合、試験制度と試験難易度が比較的低いため、取得しやすい資格となります。また、USCPAを募集する求人も比較的年収が高いものが多いため、コスパの高い資格なのが特徴と言えます。
一方USCPAは、日本国内では会計士として独立することができず、また英語を使用する求人が地方の場合少ないため、主に首都圏でしか働けません。このようにキャリアの選択肢が限られてしまうのがUSCPAのデメリットと言えます。
悩んでいる税理士受験生にUSCPAへの切り替えをおすすめする5つの理由

私自身の経験を踏まえて、税理士からUSCPAに切り替えることをおすすめする理由を解説します。
①不合格が続くと独立も転職も貯金もできなくなるから
税理士受験生のうち、
- 「いずれ資格を取って独立したい」
- 「そのための修行として働きながら受験しよう」
- 「そのあいだの数年間は、給料が低くてもしょうがない・・・」
このように、今の給料が低いことを受け入れているかもしれません。
あなたがすぐに合格できるのなら全然OKですが、そうでないなら税理士受験を続けるのはリスクがあります。税理士は難易度の高さと試験制度によって、ずっと受からず、未資格のままズルズルと年だけ重ねてしまいやすい試験です。
10年かけてなんとか全科目合格来たとしても、
- 年を重ねすぎている⇒転職先が限られ、結局、年収アップできない
- 安月給が続き貯金ができていない⇒無収入の期間に耐えられず、独立できない
このようなリスクがあります。
もしあなたが、何年も試験に合格できず、向いていないと薄々気づいているのなら、潔く諦めてしまうことも考えてみてください。報われない分野にこれ以上、あなたの貴重な時間を費やすのはもったいないです。
別にUSCPAでなくてもいいのですが、より報われやすく、直近の給料がアップする分野にリソースを注ぐことも非常に重要です。
「気づいたら税理士になれないまま40代になっちゃった…貯金もない…」
この記事を読んでいるあなたには、このような後悔をしてほしくないです。
②独立しないなら税理士試験を受験するメリットがないから
あなたが、なにがなんでも税理士として独立したいのであれば、そのまま税理士受験を続けるべきです。
ただ独立する気もなく、税務業務に特別こだわりもない、サラリーマン専門家として、給料や待遇のいい企業で働ければいいのなら、税理士に固執し続けるのはおすすめしません。
なぜなら税理士試験は独立目的のものであり、転職目的で取得するにはコスパが悪すぎるからです。
例えば、転職して年収500~600万円を目指したいのなら、USCPAなら1~2年程度で可能です。監査法人なら、スタッフ1年目でそれくらいの給与ですし、4年ほどでシニアスタッフに昇格できますから、年収は700~800万円にはなるでしょう。実際に私もそうでした。
監査法人以外にも、USCPA資格は高年収の求人と相性がいいです。転職で年収をアップさせたいなら、USCPAのほうがおすすめです。それでも税務を諦めたくない人は、転職したあとに、実務を通じてじっくり知識を身につけていけばいいのです。
【関連記事】USCPA取ったら監査法人へ転職すべき理由5選【年収アップしたBIG4出身者が解説】
③何歳になっても税理士は目指せるが、大手企業で経験をつめるのは若いうちだけだから
今まで税理士試験のデメリットばかり言及してきましたが、逆にメリットもあります。それは科目の失効期間がないことです。
つまり税理士試験は何歳になっても目指せる資格のため、後からでも取得することも可能です。
例えば、現在は簿財しか合格しておらず、学習を中断していたとしても、50~60代になってから残りの3科目を目指すことができます。そして定年後に税理士として、数社~十数社程度のお客さんを抱えて、気ままに働くこともできます。
一方、大手企業で働く経験は若いうちしかできません。
USCPAを取得すれば、上場企業や監査法人に転職することになり、大型プロジェクトや海外案件など、社会的にインパクトのある仕事に関与するチャンスがそこら中に転がっています。
会計事務所での勤務経験しかない人が、50~60代になってからUSCPAや税理士を取得して、大手企業に転職するのはほぼ不可能です。特に国内上場企業であれば、求人を35歳くらいまでに絞っているケースが多く、資格を持っていたとしても、年齢ではじかれてしまうのです。
税理士はいつでも目指せるし、いつでも活かせる資格ですが、若いうちにさっさとUSCPAを取得して、大手企業で貴重な実務経験を積めることも、USCPAへの切り替えをおすすめする理由のひとつです。
④税理士受験の知識・経験があればUSCPAは1~2年で合格できるから
税理士受験生であれば、働きながらUSCPAに約1~2年以内に合格できます。
正直、合格期間は学習時のレベルによって変わってしまいますが、少なくとも税理士受験生がUSCPAに挫折することはほぼないです。
なぜなら、税理士試験で勉強してきた会計や税務の知識を、USCPA試験では活かすことができるからです。
具体的には、税理士試験の簿記論や財務諸表論は、USCPA試験のFAR(財務会計)に、各税法はREG(主に税法)の科目にそれぞれ活かすことができます。
税理士受験のある私も、FARとREGについては80点以上の一発合格でした。
結局、国は異なっても、日本はアメリカなど諸外国の会計や税法の考え方を参考に作られているので、税理士試験での学習内容がムダにならないというわけです。
税理士受験生が、働きながらUSCPAを目指す場合、余裕をもったスケジューリングでも、1年5か月程度で全科目合格を目指せるでしょう。
- 【FAR(財務会計論)】4.5か月
- 【AUD(監査論)】4か月
- 【REG(ビジネス・税法)】4.5か月
- 【BEC(管理会計・ファイナンス等)】4か月
- 計1年5か月
このように思うかもしれませんが、心配しすぎる必要はありません。
税理士受験生であれば、会計知識は十分ですし、高校時代に普通に英語の勉強をしていた人であれば、USCPAを目指すうえで全く問題ありません。
結局、数字や会計は世界共通なので、会計がわかっていれば英語で聞かれても答えられます。そして、USCPAの勉強を続けていくうちに自然と自分の英語力も上がっていくので、他の科目も対応できるようになる、というだけなのです。
私も英語は全然得意じゃなかったです。高校時代から約10年英語に触れてなかったので、最初は大変でしたが、使用する英単語も限られてきますし、英語問題にも次第に慣れてきます。ある程度簿記の知識があったので、最初のFARを勉強しているときは、会計の英単語を覚えるだけという感じでした。
加えて日本の簿記試験のようにPL、BSの精算表を作成したり、連結や企業結合のような難易度の高い問題は出題されません。
以上より、英語が苦手でも税理士受験生であれば、USCPAは最初に思い込んでいたよりも難易度は低く感じると思います。
【関連記事】USCPAのリアルな難易度を合格者が解説【簿記1級や税理士試験とも徹底比較】
⑤USCPAなら年に何回も受験できるため合格しやすいから
USCPAは税理士試験とは違い、年にいつでも、何回でも受験可能です。
不合格になったとしても約3週間後には結果がわかり、すぐに再挑戦ができるため、勉強のスケジュールもすぐに立てられます。
税理士試験の合格発表の遅さを経験した後だと、USCPA試験の結果発表の早さに驚きます。そして知識を忘れないうちにすぐに再チャレンジできるのは、非常に快適だと感じました。
ただしUSCPAは、最初の1科目が合格してから1年半以内に全科目を合格しなければならない、という期限がある点は注意が必要です。
USCPAの受験資格
USCPAになるためには、大きく
「試験の全科目合格」と「ライセンス取得(主に実務経験が要件)」
が必要です。
USCPAになるために必要なこと | 具体的なステップ |
---|---|
試験の全科目合格 | ①出願州の選択 ②受験資格を満たして受験 ③全科目合格(4科目) |
ライセンス取得 | ④実務要件を満たして申請 |
USCPA試験は、まず①出願する州を選び②受験資格を満たします。そして③全科目合格する必要があります。
試験合格後、④一定の実務要件を満たしてUSCPAのライセンスを取得します。
ここで一番ハードルになるのが、②受験資格(4年制大学卒と単位)と④実務要件ですが、基本的に4年制大学卒であれば誰でもUSCPAを目指せます。
単位はUSCPA予備校を通じて取得でき、実務は全科目合格後に転職して経験すればいいからです。
税理士受験生の場合、すでに会計事務所や経理などで会計の実務経験がある人がほとんどだと思うので、心配するのは単位だけでいいと思います。
【関連記事】【USCPAの受験資格とは】思ってるよりも難易度は高くない理由も合格者が解説
税理士受験生がUSCPAを検討するときの注意点
ここまでUSCPAの魅力を読んできて、USCPAに興味がでてきた税理士受験生もいるかもしれません。反対にUSCPAに切り替える際の注意点を解説します。
USCPAのデメリットも把握しておく
- 公認会計士・税理士よりもキャリアが狭い
- 地方に求人がない
- 受験コストが高い
繰り返しになりますが、公認会計士や税理士と比べるとUSCPAはキャリアの幅が限定されやすい点になります。前者は専門家として独立開業もできるのに対して、USCPAはサラリーマン以外の選択肢がほぼないです。
またUSCPAの求人は、首都圏や大都市がほとんどです。地方に求人はほぼないため、求人の少なさもUSCPAのデメリットと言えるでしょう。
【関連記事】【地方出身者が解説】USCPAとして地元で働き続ける方法
USCPAの受験・取得コストがかかる点もデメリットです。USCPA予備校費用など最初のコストで約40~70万円、その後の試験料など約30万円以上かかり、費用トータルで約90~110万円ほどかかってしまいます。
【関連記事】【取得する意味ない?】USCPA(米国公認会計士)とはどんな資格か資格保有者が解説します
USCPA予備校を選ぶときは思考停止でTACや大原にしない
税理士受験生がUSCPA予備校を検討する場合、特に検討することもなく、なじみのあるTACや大原を選んでしまってはいけません。
税理士受験生であれば、資格予備校と言えばTACか大原しか知らない、またはどちらかにしておけば安心、と思い込んでいるかもしれませんが、USCPA試験の場合は別です。
TACや大原もUSCPA講座がありますが、その他にもUSCPA試験に特化した予備校もあり、特化している分、教材の質が良かったり、講座料金が非常に安いなどのメリットがあります。具体的にはアビタスやプロアクティブです。
私としては、主に以下の3校から比較・検討することをおすすめします。
上記の予備校3校の中で、時間がない社会人におすすめできる予備校はアビタス(Abitus)かなと思います。
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まとめ:「税理士試験を諦めたくない」のは自分のやってきたことを正当化したいだけかもしれない

税理士のような難関資格の取得には多大な時間とお金がかかります。
私もそうでしたが、最初は「税理士を取得して企業のために貢献したい」と思っていたのに、次第に「税理士試験に合格できないと、自分の人生は終わりだ」という心境にスライドしてきます。
企業に貢献するための方法なんてごまんとあるのだから、税理士試験だけにこだわる必要はありません。
今までの努力を正当化したい気持ちは十分にわかります。
ですがもっと大事にすべきは、あなた自身の活かすべき才能とこれからの時間です。
すでに時間を投入してきた税理士試験に執着し続けると、今、あなたの才能や将来の時間をムダにしてしまうかもしれません。
税理士試験になかなか合格できない人は、過去に縛られない生き方、そのひとつとしてUSCPAという資格もあることを知っていただきたいです。
以上!


