銀行員は、転勤が多いと言われている職業です。一般的には、2~3年のスパンで転勤を命じられます。
しかし、銀行員のなかには「転勤したくない」と悩んでいる方がいるのではないでしょうか。特に、転居を伴う転勤だと、家族と疎遠になったり引っ越し準備でバタバタしたりするため、人によっては大きなストレスになってしまします。
転勤に対して、悪いイメージを持っている方も少なくないでしょう。
この記事では、銀行員の転勤について
- 頻度や時期な
- 転勤が多い理由
- メリット・デメリット
などについて解説します。
「どうしても転勤したくない」と考えている方に向けて、対処法も解説しています。転勤を避けつつ年収アップが狙える方法も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いている人
単位ギリで地元の駅弁大学卒業→銀行に入社するもツラすぎて1年で退職(年収300万)→税理士試験に挑むも1科目も合格できず挫折(年収380万)→働きながら1年10か月でUSCPA取得→BIG4監査法人金融部転職(年収600~690万)→TOEIC855点獲得→大手FAS(年収910万)
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銀行員の転勤事情について解説
こちらでは、銀行員の転勤事情について、以下の内容を解説します。
- 転勤の頻度
- 転勤の時期
- 転勤と出世の関係
「何年で転勤するの?」「出世とは関係しているの?」と疑問を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください!
転勤の頻度|2~3年
銀行によって異なりますが、一般的な転勤のペースは2~3年です。早い人だと、1年で転勤する場合もあります。
なお、在籍する期間は、職種や担当業務によっても異なります。
たとえば、営業職の場合は1~3年であり、事務職はそれよりもやや長めです。また、本部所属の場合は、5年以上在籍することもあります。
転勤の時期|ピークは4月・10月
銀行は3月の決算にあわせて、4~9月を上期、10~3月を下期に設定しています。4月と10月は節目のタイミングなので、転勤のピークとなっているのです。
その他に、3ヶ月(4半期ごと)に1回だったり、人員調整のために不定期で転勤が発令されたりすることがあります。
また、銀行によっては毎月のように異動があるケースも珍しくありません!
転勤と出世の関係|回数よりも配属先が重要
「転勤・異動は銀行員の出世コース」と聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。
たしかに、優秀な人材は転勤のペースが早い傾向にあります。
しかし、重要なのは回数よりも「どこに配属されるか」です。
たとえば、都市部や中心部にあるような大型店舗への異動は、出世を期待されていると考えてよいです。反対に、転勤のペースがあまりにも早いと「問題のある人材」とみなされている可能性が考えられます。
このように、出世の有無と転勤の回数は必ずしも関係しているわけではありません。
銀行員はなぜ転勤が多いのか?|癒着を防ぐため
銀行員は、他の職業と比べても転勤が多いとされています。
その理由は、特定の企業や個人との癒着を防ぐためです。
同じ土地で長い間働いていると、企業や個人との関係が深くなります。そのため、客観的な判断が難しくなるケースがあるのです。
たとえば、経営が難しくなっている企業に対して、情だけで融資してしまう恐れがあります。銀行も潰れるわけにはいかないので、本来なら客観的な視点を持って融資先を慎重に選ばなければなりません。
このように、同じ土地に長く働いていると、癒着によるトラブルが発生する恐れがあります。そのため、銀行員は転勤が多いのです。
銀行員が転勤をするメリット4選
銀行員が転勤によって享受できるメリットは、主に以下の4つです。
- 人間関係を白紙状態にできる
- 顧客を一新できる
- 人脈が増える
- 自己研鑽につながる
順番にみていきましょう。
1.人間関係を白紙状態にできる
「上司から毎日詰められる」「事務職の人と上手くコミュニケーションが取れない」など、支店の人間関係で悩んでいる方は多いと思います。
銀行員は、2~3年で転勤をすることが多いです。つまり、どんなに嫌な人と同じ職場でも、数年我慢すれば離れられるということです。
転勤や異動がない企業では、同じ人間関係のなかで30年働くことも珍しくありません。人間関係を白紙状態にできるのは、転勤が多い銀行員ならではのメリットでしょう。
2.顧客を一新できる
営業職の銀行員は、ある程度決まった企業に訪問するケースがほとんどです。そのため、関係性が悪い企業にも出向く必要があります。
「無視されるのではないか」「今日も怒鳴られるのではないか」と、訪問しようとするだけでストレスに感じる人もいると思います。
一方、転勤があることで、顧客との関係をリセットできます。数年経てば関係が悪化している企業にも出向かなくて済むでしょう。
3.人脈が増える
転勤を重ねることで、人脈が増えていきます。
在籍している支店以外に頼れる人がいるのは、銀行員として大きなメリットです。たとえば、支店では実績の少ない案件の相談をしたり、足りない伝票や書類を貸してもらったりできます。
特に、本部とつながりのある人と関係ができると、仕事上で有利に働きます。業務に関するアドバイスをもらえたり、本部への異動がしやすくなったりするでしょう。
4.自己研鑽につながる
銀行員が転勤することで、さまざまな支店や部署での仕事を経験できます。
たとえば、企業が少なく農家などの個人顧客がメインの支店の場合、都市部とは営業の切り口が異なります。
個人顧客は横のつながりが強い傾向にあるので、まずは関係性を構築して「○○さんなら大丈夫」と広く知ってもらう営業方法を取る場合があります。
部署が異なると、いままで培ってきた知識に加えて、さらなる知識が必要です。環境によっては、自己研鑽につながるでしょう。
銀行員が転勤をするデメリット5選
銀行員の転勤には、メリットだけでなくデメリットもあります。具体的には、以下の5点です。
- 新しい環境に慣れる必要がある
- 準備期間が短い
- 家族と疎遠になりやすい
- 歓送迎会の頻度が多い
- 経済的な負担が大きい
X(旧Twitter)に投稿されていた銀行員のリアルな声も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
1.新しい環境に慣れる必要がある
銀行員の転勤のメリットは、人間関係や顧客をリセットできることです。しかし、このメリットは、人によってはデメリットにもなりえます。
たとえば、支店によって客層やルールが異なります。いままで業務でやってきたことが変わるため、慣れるまでストレスに感じる場合があるのです。
「支店の人間関係を1から築くのが大変」という方が多い印象です。
2.準備期間が短い
仮に銀行員が不正をしていた場合、隠ぺいを防ぐために、異動は直前になって知らされるケースが多いです。
転居を伴うものでも、着任の1~2週間に知らされます。つまり、転勤する1~2週間で取引先の挨拶や後任への引継ぎをしなければならないということです。
加えて、転居が必要な場合は、部屋探しや引っ越しの準備をする必要があります。日にちが限られているため「内見せずに部屋を決めた」というケースは珍しくありません。
準備期間が短いため、転勤前後はバタバタしやすいのがデメリットといえるでしょう。
3.家族と疎遠になりやすい
家庭やマイホームを持っている銀行員の場合、家族全員で引っ越しするのは難しいです。また、マイホームを持っていなくとも「子どもに転校をさせたくない」と考えている方も多いと思います。
このような場合は、単身赴任するケースが多いです。
休日しか家族のいる家に帰れないため、疎遠になりやすいのがデメリットです。
さらに、子どもの成長を見逃したり、パートナーに育児を任せっきりになったりするのもネックでしょう。
4.歓送迎会の頻度が多い
銀行員は、もともと飲み会が多い傾向にあります。そのため、転勤するたびに歓送迎会が開かれます。
飲みの場が苦手な人にとっては、歓送迎会の頻度が多いと苦痛に感じるかもしれません。また、飲み会での出費も痛いところです。
自分が転勤しなくとも、歓送迎会に参加しなければならないのはつらいポイントでしょう。
5.経済的な負担が大きい
転勤をすることで、主に以下のお金が必要になります。
転勤する際の出費
- 引っ越し費用
- 送別の品
- 転勤先への手土産
特に、引っ越し費用は数万円することもあり、負担に感じる人も多いと思います。
特に、転勤のタイミングは引っ越しの繁忙期と重なるため、費用がぐんと高くなりやすいです。
銀行によっては補助が出る場合もありますが、全額出ないケースが多いです。
このように、転居をともなう転勤を命じられることで、経済的な負担が大きくなってしまいます。
銀行員が転勤したくないときの3つの対処法
新しい環境に慣れる必要があったり、家族と疎遠になりやすかったりなど、銀行員の転勤はデメリットが目立ちます。そのため「できるだけ転勤したくない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
こちらでは、銀行員が転勤したくないときの対処法を3つ紹介します。
- 地域限定(特定職)への転換を申し出る
- 本部への異動を申し出る
- 転勤のない企業へ転職する
行動を起こすことで、転勤に関する悩みを解決できる可能性があります。ぜひ参考にしてみてください。
1.地域限定(特定職)への転換を申し出る
地域限定(特定職)であれば、転勤はあるものの転居を伴う異動がありません。
全国に支店がある銀行でも、関東や関西などのエリア内での転勤で済むのがメリットです。
「転居を伴う転勤がネック」という方は、一度支店長に転換できないか相談してみましょう。
ただし、人員配置を始めとした理由により、必ずしも転換できる保証はありません。あくまでも「転換できる可能性がある」くらいに認識しておくのがよいです。
2.本部への異動を申し出る
本部であれば、基本的には転勤はありません。また、支店に勤めているよりも規模が大きい仕事ができるため、キャリアアップを考えている方にもおすすめの選択です。
ただし、本部への異動は誰でもできるわけではありません。
「本部へ異動したい」と考えている方は、主に以下のことを意識する必要があります。
本部へ異動しやすくなる行動
- 社内テスト・試験で上位をキープする
- キャリアアップに役立つ資格(FP2級以上や宅建など)を取得する
- 支店長クラスと関係を築いて推薦をもらえるようにする
「本部に異動させてもよい人材」ということをアピールすることがポイントです!
なお、銀行員のキャリアアップに役立つ資格については、関連記事「銀行員おすすめの資格10選|資格で年収200万アップした元銀行員が解説」で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
3.転勤のない企業へ転職する
メガバンクや地方銀行に関わらず、銀行員には転勤がつきものといっても過言ではありません。地域限定(特定職)への転換や本部への異動を申し出ても、希望が通らない可能性があります。
「どうしても転勤が嫌」という方は、転職を視野に入れましょう。銀行員の経験やスキルを活かしつつ、転勤のない企業にキャリアチェンジできます。
なお、資格を取得することで、転勤のない職業や企業に勤めやすくなります。主に、以下資格の取得を検討してみてください。
これらの資格は取得することで、キャリアアップだけでなく他業界への転職も可能になります!
特におすすめしたい資格は、USCPA(米国会計士)です。銀行員で培ったスキルを活かしながら年収アップが期待できます。
USCPA(米国会計士)についてより詳しく知りたい方は、関連記事「銀行員にUSCPA取得をおすすめする理由5選|元銀行員のUSCPAホルダーが解説」をチェックしてみてください。
なお、銀行員のなかには、転職活動する時間を作れない方もいるのではないでしょうか。そんな方には、転職エージェントの活用がおすすめです。転職エージェントに希望を伝えるだけで、自分にあった求人を紹介してくれます。
さらに、面接対策や職務経歴書の添削もしてくれるため、初めて転職する方も安心です!
銀行員には、金融業界の転職に特化した「コトラ」の利用をおすすめします。関連記事「【銀行員におすすめ】コトラの評判を調査!口コミから見る利用に向いている人の特徴を紹介」では、コトラの評判だけでなく、転職の流れや成功のコツを解説しています。
あわせてチェックしてみてください。
銀行員の転勤に不満を感じているなら転職や資格取得を考えよう
銀行員は、転勤が多い職業です。一般的には、職種に限らず、2~3年スパンで転勤があります。
転勤のデメリットは、新しい環境にストレスがかかったり、経済的な負担が大きかったりなどです。人によっては、精神的な負担として重くのしかかる場合があります。
銀行員の転勤に不満があるなら、転職や資格取得を視野に入れましょう。
特に、USCPA(米国会計士)を始めとした資格を取得して転職すると、転勤のない職場で働きやすくなります。さらに、年収がアップする可能性が高いです。
実際に、私はUSCPA(米国会計士)の資格を取得することで、銀行員時代の3倍の年収になりました!
特に、監査法人への転職であれば、転勤はほとんどありませんし大きく稼ぐことも可能です。関連記事「【銀行やめたい人へ】銀行員がUSCPAを取得して監査法人へ転職するためのロードマップ」では、銀行員が監査法人へ転職する方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
銀行員の転勤に不満を抱えている方は、なにかしら行動に移すことが大切です。転職や資格取得を視野に入れながら、現状を変えるためのアクションを起こしましょう。
以上!